きらきら星と

シュール

天国で流れる音楽

言葉がどこかへ行ってしまった。見つけられなくて、なのに探したくなくて放っておいた。そんななか小澤征爾さんが亡くなったとニュースで知った。ああ、そうなのかと落胆とかそういったものでは無く、喪失感だった。穴が空いた。しかたない。
もう元気が出なくて、毎朝もう嫌だと真っ暗な気持ちで意識が体に戻るのを感じていた。もう嫌だ。 涙もどこかへいってしまった。
失えば新しい何かがはじまる。そうだとしてももう嫌だ。絶望のような気持ちだ。暗闇にゆっくり移行していく世界。だれもいない。だから、なんだというのだ?わたしはまだ生きている。心臓がドクドクと脈打つ。頭の中に音楽のハーモニーが再生される。美しい天国で流れているであろうハーモ二ー。
絶望だ!!!絶望でしかない!!
何故ここまで生き延びてしまったのだろう。とっくに死んでいたはずなのに。まだ生きている。真っ黒な罪悪感が手を伸ばし私を捕まえようとしている。今夜は逃げられるだろうか、明日の夜は逃げ切れるだろうか。

そろそろだめだろう。もうだめだろう。

星野です 不惑の年を生きます