きらきら星と

シュール

雨が降っている。横たわり床につけた耳と体に雨音の振動が響く。とんとんと降る雨に遠い記憶が引っ張り出される。
明るい灰色の空。窓に伝うしずく。大粒であるほど光を多く含むのか煌めきながら落ちていく。なんにもできなくて、横たわったまま眺めていると心の枷が解かれたかのようにぼんやりする。常に頭を締め付ける思考がほんのわずか、緩む。
埋められない孤独は一生付き合っていくしかなく、先日ひとりで生きていくのだと決めてから体が重い。
たくさんの枷は生まれた時から少しづつ増え、今では歩くのもやっとだと思う。叶わない。自分で選んで生きていくのに付き纏う罪悪感。好きに望むように生きたらいい。ルールも常識も、本当は存在しない。カニカマにマヨネーズ、ご飯の上にのせて、細切りのきゅうりも乗せて海苔で巻いて食べた。幸せだね、と呟く。
白く明るかった空が暗くなってきた。雨が強まるのだろうか。
目を閉じれば、引き出しが開こうとする。それに鍵をかける。土曜の午後。

星野です 不惑の年を生きます